2014
07.14
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好調な花王を支えるデータ経営の正体とは?


日用品メーカー大手の花王は今、子会社のカネボウによる美白化粧品の白斑問題によって、リコール問題を抱えています。

しかし、昨年度の決算では4期連続の増益増収となり、営業利益については9年ぶりの最高益となっています。要因としては化粧品部門の落ち込みを日用品事業でカバーしているのですが、その経営を支えている存在として、ビッグデータを解析する専門チームがあることをご存知でしょうか。

花王には「デジタルビジネスマネジメント(DBM)室」という部署があります。

およそ10年の歴史を持つというこの部署は、様々な専門スキルを持った6名のデータサイエンティストによって構成されるチームです。花王製品の販売状況の数値からインターネット上の口コミ情報などたくさんのデータを収集し、分析を行ってマーケティングに活用しています。

「No Analysis, No Strategy(分析なくして、戦略なし)」というスローガンの元、データマイニングを行って経営戦略を支えているのです。

さて、データマイニングで重要なものとして仮説を立てて数値を抽出していくことが挙げられますが、この部署のスローガンのひとつに「No Assumption, No Suggestion(仮説なくして、提案なし)」というものがあります。

一例を挙げると、日用品の販売状況を分析する際に「洗剤」「漂白剤」「柔軟仕上剤」「消臭剤」という4つのカテゴリはそれぞれに関連性を持つという仮説の元、解析が行われました。その結果、漂白剤の「ワイドハイターEX」が、他の製品と合わせて購入されていることが多く、隠れたハブ商品になっていたことが分かったのです。

ハブとなる商品の販売を促進すれば、併用されている自社製品の売上げも上がります。しかも、購入者の多くは漂白剤と柔軟仕上剤を一緒に使ってはいけないという誤解を持っていました。この情報を得たマーケティング部署は即座に訴求方針を変えて「柔軟剤の香りがひきたつ」というメッセージとともにテレビスポットを流します。その結果、2012年度は発売初年度の2008年に比べて3倍の売上げとなり、発売から4年の時を経て売上げ高100億円を超える商品と成長したのです。

データマイニングは重要なポジションですが、宣伝の方針を変更したりと、いかにマーケティングでアウトプットするかという点も重要です。実際、花王のDBM室はマーケティングのセクションにいかに分かり易く「見える化」するのかを心がけており、4つのカテゴリを分析してハブ商品を特定する場合も、視覚的に分かり易いようにインフォグラフィックを作成しているそうです。

今回は好調な花王を支えるデータ経営について見てきましたがが、データ解析のみならず組織間の橋渡しも重要なファクターと言えそうですね。

cpf