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YouTubeの有料サービスが広告に与える影響とは?

YouTubeが先月、月額有料サービスを発表しました。YouTube Redと呼ばれるこのサービスは、月額9.99ドルを支払うと広告が非表示になり、追加サービスを利用できるようになります。現在はアメリカのみで導入されており、今後、世界的に展開すると見られています。NetflixやHuluといった動画配信サービスの流行に対するYouTubeの対抗策であり、広告のない動画再生によって利用者の利便性を高めるのが狙いです。

特に、YouTubeの主要利用者である35歳以下の若者は広告を毛嫌いする傾向があり、広告のスキップやブロックを活用しているため、全体の1%の利用者にしか動画広告が効果を発揮していないとも言われています。若者から確実に収益を得るために、広告のない有料サービスを展開する戦略は理にかなっていると言えるでしょう。

YouTube Redは広告無しの動画配信の他にも魅力的な機能を提供しており、注目を集めているのがオフラインでの動画再生です。パソコンやモバイル機器に動画をダウンロードして、インターネットに接続しなくても動画が閲覧できるようになります。また、YouTube Originalと呼ばれる独自コンテンツが制作されており、有料会員のみに公開される動画もあるようです。

さらに、スマートフォンなどで他のアプリを起動している場合でもYouTubuの動画再生を継続できるバックグラウンド再生機能も提供されます。YouTube MusicやGoogle Play Musicといった音楽再生専用アプリとYouTube Redのアカウントを連携させると、広告無しで動画を常時再生できるため、上記の機能が全て活用できることになります。

では広告主にとって今回のYouTube有料化の動きはどのような影響があるのでしょうか。

広告無しの有料サービスが展開されるからといって全てのユーザーが有料会員に移行するわけではないので、依然として動画広告メディアとしてのYouTubeの重要性は変わらないと見られています。年率60%で動画広告での宣伝費は増加してきており、視聴者を楽しませながら価値のある情報を届けられる動画広告の効果は、広告に興味を示さない35歳以下の若者にこそ有効なものです。

YouTube Redの導入はインターネット広告業界の大きな変化の一部に過ぎず、どのように若者の関心を引くかという点がWEB広告の重要なポイントであると言えるでしょう。
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著者:Takayuki Sato