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コンテンツマーケティング

北米のコンテンツマーケティング最新事情2015年9月版

Content Marketing Instituteは北米を中心とした大企業から中小企業におけるコンテンツマーケティングの実態について毎年調査を行っていることで知られていますが、2015年9月に最新版の調査結果が発表されましたのでご紹介したいと思います。

まず、調査に回答した企業のうち88%がコンテンツマーケティングを取り入れており、北米においては多くの企業に浸透している状況が伺えます。一方で、コンテンツマーケティングで成功を収め、組織内でプロセスが確立しているという企業は32%しかおらず、習熟度に差があるというのが現状のようです。

コンテンツマーケティングの業務を確立するには戦略の明確化が欠かせませんが、戦略を文書化している企業は32%に留まっています。また、コンテンツ制作の進行や成果について日次・週次で打ち合わせをしている企業が44%しかないため、企業内でのコミュニケーションの頻度がコンテンツマーケティング習熟度の差を分けている可能性が示唆されています。

コンテンツマーケティングに秀でた企業の特徴として、多様なコンテンツを作成している点が上げられます。コンテンツの種類は利用頻度順に「ソーシャルメディア記事」「ケーススタディ」「ブログ」「ニュースレター」「イベント」などがありますが、優れた企業ほどコンテンツの種類が豊富です。また、「LinkedIn」「Twitter」「Facebook」「YouTube」「Google+」「SlideShare」など、複数のプラットフォームを使い分けている点も、優れた企業の特徴として挙げられます。

コンテンツマーケティングの運営において難しい課題の一つに「評価指標の設定」をよく見かけますが、調査では重要な評価指標として「見込み顧客の質」「売り上げ」「成約率(コンバージョン)の向上」「見込み顧客の量」「サイト訪問者数」などが上げられています。SEOランキングなどよりも、売り上げに直結する指標がより重要視される傾向が見て取れます。

予算関連ではマーケティング予算全体のうち、平均して28%がコンテンツマーケティングに費やされているという分析があり、さらに今後一年以内に予算を増額する予定のある企業は51%にも上っています。

こうしたことから、コンテンツマーケティングの市場規模は今後も拡大していくものと予測されますが、一方ではコンテンツマーケティングにおける課題も明らかになっていて、50%以上の企業が「優れたコンテンツを作成する」「効果を測定する」「継続してコンテンツを作成する」「投資対効果を測定する」といった課題を抱えています。

コンテンツの制作プロセスや評価体制の確立が、コンテンツマーケティングの成否を左右する要素になりつつあります。
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著者:Takayuki Sato