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外部アプリにリーチできるFacebookの新広告

Facebookがデベロッパー向けのカンファレンスで発表した内容の中から、今回は新しい広告ネットワークについて取り上げてみます。

この広告ネットワークとは、Facebookに登録された個人情報を利用することにより、サードパーティーが提供するアプリ内でもターゲティング広告の配信が可能となるサービスです。現時点でも、Facebookにアクセスすると年齢・地域・性別などの属性を利用した広告や、友達の繋がりを利用した広告が配信されてきます。それが、外部のアプリにも適用されるようになると言うとイメージしやすいでしょうか。

そこで気になるのは、この広告ネットワークの効果がどうなのか?という点ですが、広告主にとっては従来の広告ネットワークよりは遥かに効果が期待できるのではないかと考えられます。その理由を順を追って説明しましょう。

少し話は遡りますが2005年以降、日本ではmixiが隆盛を極め、モバゲーが無料ゲームで急成長していた時期がありました。当時、事業全体の売上高としては、ユーザーに直接課金していたモバゲーの方が高かったのですが、企業広告主からの広告収益に限るとmixiの方が高かったのです。

これはサービスの特性に要因があるのですが、当時のmixiは実名制ではなかったものの、どちらかといえばFacebook寄りで、ユーザーの属性や趣味嗜好が把握しやすいサービスでした。一方のモバゲーは10代の若年層を中心に利用が広まった匿名サービスで、ユーザーはソーシャルコミュニケーションを行うというよりも、ゲームを楽しむという明確な目的があったので、膨大なページビューがあったわりには収益に大きく貢献できていなかったのです。

さて、現代になってFacebookのようにユーザー属性が把握できて、かつ友人関係などの個人情報を保有しているサービスがどれだけあるかと言われると皆無です。むしろ、スマートフォンの時代になってからは匿名で使えるアプリが多く、何かの目的をもってアプリをダウンロードして飽きたら止めるというサービスが多くなってしまいました。その多くはゲームアプリですね。

アプリサービス全体が、かつてのモバゲーのようになってしまったのです。既に、アプリ上では各種広告ネットワークが配信されていますが、膨れ上がるページビューに比例して広告単価は下落しています。

その一方で、予想を上回る広告収益を上げているFacebookの売上高は、今後も更に成長していくと考えられます。

そのような背景を踏まえると、今回のFacebookの新たな広告ネットワークは、広告主にとっては良質なユーザーにプロモーションをする機会が増えるというメリットがありますし、サードパーティーにとっても広告収益の増加を狙える機会であると言えるのではないでしょうか。
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