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Facebookと広告ブロッカーの戦い

Facebookにおける広告収入の80%はモバイル向けから得られているものの、デスクトップ向け広告で白旗を上げたわけではありません。デスクトップのWebサイトで広告を表示されなくするソフトウェア「広告ブロッカー」に対抗するため、デスクトップ広告を表示する仕組みを変更する施策を、2016年8月にFacebookは発表しました。Facebookの広告及びビジネスプラットフォーム事業統括責任者のアンドリュー・ボスワースは、以下のように戦略を語っています。

「私たちは、人々が広告ブロッカーを使い始めた背景を鑑みて、広告のフォーマット、パフォーマンス及びコントロールを作りこんできました。人々になぜ広告ブロッカーを使うのかを聞いてみると、煩わしく、邪魔な広告を止めてほしいとの声が最もよく聞こえてきました。」

Facebookは、広告ブロッカーを使っていたとしても強制的に広告を表示させる仕組みを導入する一方で、広告内容の好みに応じて、興味のない広告は表示させないようユーザーが指定できる仕組みを導入しています。カスタムオーディエンスに追加された企業からの広告を無効化し、人々がFacebook上での体験を自分で調整できるよう、新機能を開発したのです。

広告主にとっては、Facebookが広告ブロッカーへ対抗する試みは、多くのユーザーへ訴求する手段を維持できるため、よい動きと言えるかもしれません。さらに、ユーザーが興味に基づいて表示される広告を削除できるようになったため、広告キャンペーンの精度は高まっていくことさえも予想されます。例えば、旅行に関して興味のないユーザーが、その広告を表示させないようにすれば、広告主は旅行に興味のないユーザーに広告を出稿しなくて済むのです。

一つ疑問があるとすれば、多数のユーザーがこの広告制御機能を活用するかどうかという点が挙げられます。この機能は多くのユーザーにとって馴染みのない機能なので、広告を強制的に見せられるデスクトップユーザーの数は、広告制御機能を活用するユーザーの数より多くなるのではないでしょうか。
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参考資料(https://searchenginewatch.com/2016/08/11/facebook-begins-thwarting-ad-blockers/)著者:Takayuki Sato