大企業を中心にビッグデータの活用が進む
米アクセンチュアがこのほど行ったビッグデータに関する調査によると、日本を含む19ヶ国・7つの業界で活躍する企業の経営幹部、IT部門、分析部門の責任者ら4,300人以上を対象に実施した結果、60%以上から「自社がビッグデータの導入に成功している」との回答が得られたそうです。
特に大企業ほどビッグデータを活用しているようですが、中小企業でも4割以上がその重要性を認識しているようです。こうした結果を見るとずいぶん広範囲にビッグデータが浸透してきたとの印象を持ちますが、具体的にどのような事例が出てきているのでしょうか。
以前はインターネットサービスに関するオンラインで取得できるビッグデータ事例が話題を集めることが多かったのですが、近年は一次産業である農業や漁業、交通インフラ、流通業内での売上から見る在庫予測と発注のシステムなど、様々な「物」や「直接的・間接的な外的環境」のデータをモニタリングできる仕組みを整える事例が増えてきています。
今回は交通インフラの事例として、平成25年度の通信白書(総務省発行)にも取り上げられているインフラ(道路交通)における活用パターンについて紹介したいと思います。
道路交通は日々起こる事故や障害のアクシデント、天候不順など様々な外的環境により、渋滞が巻き起こってしまったり、通行止めになってしまうなど状況が刻々と変化しています。
ビッグデータはこうした状況変化のデータを蓄積し、リアルタイムかつ継続的にデータ解析を行うことで、ナビゲーションシステムの渋滞回避情報に利用することができるようになりました。
またGPSを搭載したタクシーや自家用車が多く通過する道順(軌跡情報)を蓄積することにより、従来の渋滞予測では予測しきれない細道・裏道などの渋滞回避ルートを算出する、といったような事ができるようになってきています。
交通インフラにおける情報をビッグデータとして蓄積することができるようになれば、渋滞の起きにくい都市計画デザインや燃料低減の仕組みなどへの活用も期待できることでしょう。
ビッグデータの活用推進により、生活の様々な習慣を記録してリアルタイムかつ継続的に解析を行うことができるようになれば、私たちの生活がまた少し豊かになっていくことが期待できるのではないでしょうか。