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新型コロナウイルスの影響下における中国向けマーケティングの考え方

困りごとを抱える人々への支援は惜しまず、応援のメッセージを発信する

新型コロナウイルスの影響が大きい中国では、政府が自宅待機を命じたり、企業が業務を停止したりする地域が広がりました。店舗販売はほとんどなくなり、また、物流企業が営業していないためEコマースも売り上げが激減しています。一方、ゲーム・健康・オンライン教育の分野は成長が見られます。中国向けビジネスに詳しいLauren Hallananが、新型コロナウイルスの影響下におけるマーケティングについて解説しました。
海外企業は不正確な情報を流さないよう、情報発信に慎重になりがちですが、何も言わないよりは、支援を表明する方が好意的に受け止められます。マイクロソフトやロレアルといった大企業は、数百万ドルを中国赤十字に寄付したり、必要な物資を現地に送付したりしています。

商業的な発信は最小限に抑え、無料のサービスで多くの人へリーチする

中国向けマーケティングを完全に止める必要はありませんが、人々が不安を覚えている状況では、積極的な売り込みは避けるべきです。オンライン教育や在宅勤務、ヘルスケアやフィットネスといった、人々のニーズが高いものに限り、サービスを無償公開したり、限定的な機能を提供したりします。例えば、テンセント社は企業向けチャットツールであるWeChat Workに、在宅勤務の人が使いやすいよう、新機能を開発し、リリースしています。また、中国のフィットネス企業Keepはオフラインの授業を、無料のライブ動画として公開しました。

WeChatのミニプログラムやチャットグループを通じ、新たなチャネルを開拓する

化粧品やファッションといった、健康との関連が薄いブランドは、コンテンツの閲覧数が下がり、需要が低下するのに気付くかもしれません。また、実店舗での販売に大きく依存してきた企業は、Eコマースへの進出を検討するのも一つの手です。中国で化粧品販売を手掛けるThe Coloristは、WeChatのミニプログラムを開発し、ライブ動画での商品販売を始めました。また、ファッションブランドMaia Activeは、WeChatで営業員向けのチャットグループを開設し、グループ購入などを通じ、オンラインで消費者へリーチする方法を説明する機会を設けています。

まとめ

中国では厳しい状況が続いていますが、それもいつかは終わりが訪れます。新型コロナウイルスの流行が収まれば、レストランや映画館を訪れ、店舗で買い物をするようになり、人々がオフラインで過ごす時間が増えていきます。そのときに備え、企業はポップアップストアの開店や実験的なキャンペーンの企画を温めておくと良いでしょう。
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参考資料
https://www.forbes.com/sites/laurenhallanan/2020/02/12/how-to-adapt-your-china-marketing-efforts-during-the-coronavirus-crisis/#1dd47b2f6582
著者:Takayuki Sato