コンテンツの世界における「パクリ」と「インスパイア」の境界線
昨今、話題になっているクリエイティブの「模倣」問題。様々な議論が飛び交っていますが、実はデザイン以上に「コンテンツ」=「企画」は似てくる可能性が高いのです。そんなコンテンツの境界線を検証します。
パクリとは
既存のものに似た作品やネタを作ること、あるいは極めて似た作品やネタを発表すること。ただし、この場合、剽窃元とした作品よりも劣っているものや、剽窃元をほぼそのまま流用(コピー・トレース)している事が誰の目にも明らかであるか、もしくは疑わしいものに対して使われることが多い表現である。
インスパイアとは
芸術分野において、尊敬する作家や作品に触発され、同じテーマに基づいて作品を創作すること。
(引用元:Wikipedia)
似たような言葉で「パロディ」や「オマージュ」などの言葉もありますが、こちらの2つは上記2点とは観点が大きく異なります。それは引用元を明確にしており、それ自体を表現個性の一つとしているためです。
つまり、「●●に似せています!」ということ自体をウリにしているということですね。
パクリとインスパイアの境界線、これは非常に難しい問題です。特にコンテンツにおいてはその実態がわかりにくいです。なぜならアイディア自体には著作権がないからです。
どちらか判断するのは大体が第三者であるため、インスパイアだと言い切っていても明らかにパクリだろ!と思われるものは多いです。逆もしかり。
この問題には、誰もが納得する完全なる回答はおそらく存在しないかと思いますが、一つの線引きとして、「そのコンテンツがフリーライドがどうか?」が言えるのではないかと思います。
つまり何かしらの“対価”を払って作成したコンテンツなのかどうか、です。
この場合の対価とはお金だけのことを指しておらず、時間・労力・智恵・知識など、トータルの意味でのマーケティングコストです。
他社が行なった調査をあたかも自社で行なったかのように見せて同じアウトプットをするのと、他社が行なった調査を別の調査と比較して考察した結果、同じアウトプットをするのとでは雲泥の差があると考えられます。
後者もパクリだ!となってしまうと、極論、マーケティングの世界における権威者・書籍などのほとんどが使用不可能になります。
結局は、展開している企画に「自分のアイディアがあるのか、目的を説明できるのか」が境界と言えるのではないでしょうか。
それも議論の仕方によっては、違う!と思われるかもしれませんが、注目と批判はセットなのでうまく付き合っていく覚悟は必要ですね。
(この記事自体も)
ただ、コンテンツマーケティングはいかに独自性と話題性、商品との関係性を持てるかが勝負なので、他社展開をスライドしたものは大抵うまくいきませんがね。