Webメディア運営シミュレーションゲーム「Fake it to Make it」
デマニュースを拡散したり、他サイトからニュースを拝借したりと闇深い内容。SNSで拡散されてバズが発生し、承認欲求が満たされていく。どのような心理や過程でデマニュースやコピー記事が生まれるのかを体感できるゲーム「Fake it to Make it」のご紹介。
http://www.fakeittomakeitgame.com/
どのような心理や過程でデマニュースやコピー記事が生まれるのかを体感できるゲーム「Fake it to Make it」。
ゲームの説明ページには、アメリカの2016年の選挙の際に利益目的でデマニュースを流したマケドニアの若者たちなど、実際の出来事に基づいていると書かれています。
サイトを作成するところからゲームは始まります。
右側にゴール(目標)が表示され、それをクリアしていきます。
最初の資金は$50.00と設定されます。
サイト名、ロゴ、無料ドメインか独自ドメインなのか、サイトのテーマは無料か有料かを選びます。
かなり現実的な設定で、独自ドメインを取得し有料の洗練されたテーマを選ぶことで、サイトの信用性が増します。
政治思想ごとに、「パープル」「グレー」「オレンジ」とコミュニティが分かれていて、自分がどこのコミュニティをターゲットにして、一貫した記事を載せていくかを最初に考えておくことが大事。
対立するコミュニティのネガティブな記事などを他サイトからコピーし、投稿していきます。
記事を投稿しただけでは意味がなく、SNSにシェアしないことには何もはじまりません。新規でアカウントを作成することもできるのですが、同じ政治思想のコミュニティに属するフォロワー数が多いアカウントを買う方が効率的です。記事をSNSにシェアすると、コメントがもらえて広まっていることが体感できます。
幸福感や満足感を与えるような「かわいい子猫を見てください!」というような記事を投稿することがゴールかと思えば、次は恐怖を与える記事を投稿することがゴール。考えさせられます。
他サイトからコピーするだけではなく、他サイトを参考にして記事を作成することもできます。真実の情報や偽の情報、他の政党の非難などを組み合わせて記事を作成していきます。「信用性」「ドラマ性」のスコアが高いほど多くの反応があり、移り変わっていく注目のトピックに関連していることも重要。
シェアした後に、誰も反応してくれないと悲しくなります。
「信用性」のスコアが満点の記事を書いて反応してもらうというゴールがかなりの難易度。「ドラマ性」が高く注目のトピックに合致している記事の方が反応がよいので、ついつい過激な記事になっていきます。バズが起こると単純に嬉しくなります。
このゲームだけで、十分に危険なことだと実感できます。
デマニュースに対する意識を高めるため、学習目的のために開発されたのだということが伝わってきます。
決して偽のニュースを書く人のためではなく、デマニュースにもっと懐疑的になるため、操作されないようになるための知識を持ってもらうために、デマニュースを流すプレイヤー側になってみてもらう。こういう逆転の発想も効果的だと体感できるゲームです。