「サイトトラフィック」だけがコンテンツマーケティングの成果ではないという話
コンテンツマーケティングを実践するマーケッターの多くが、効果測定の方法やエンゲージメントの高いコンテンツの作成に課題を感じています。では実際にどのような成果指標を使っているのでしょうか?最もメジャーなものは「サイトトラフィック」。コンテンツの効果というものは間接的なものがあるため、定量的なものを成果指標として捉えているのですが、実はそれだけではコンテンツマーケティングの価値を語ることはできません。定量・定性の両面から、コンテンツマーケティングの成果指標について考えます。
近年、日本でも大分メジャーな手法になりつつあるコンテンツマーケティングを実践するマーケティング担当者の多くが、効果測定の方法について課題を感じています。
成果報告が難しいコンテンツマーケティングの成果
その理由は、コンテンツマーケティングが短期的な売上成果に直結しにくいうえに、エンゲージメントの高いコンテンツ制作の難易度が高いため、お金をどこまで使ってやるのか等、費用対効果の算出が難しいことなど様々です。
ただ、この「効果測定しづらい」というのはマーケティング担当者にとって最も厄介なもので、会社上司や得意先への報告の際、何とも歯切れの悪いことになります。
「サイトトラフィック」は一体何を表しているのか?
そこで、よく用いられるのが「サイトトラフィック」の成果指標。コンテンツの効果は販売に対して間接的なため、定量的に出てきてくれる「分かりやすい」数字として重宝されており、昨年アメリカ国内のあらゆる企業を対象に行われた調査ではコンテンツマーケティングの成果指標で参考にする数字として「サイトトラフィック」がダントツで1位に挙げられています。PV・UUでユーザーの流入数の変化を見ていれば、コンテンツマーケティングのサイトであっても、一応PDCAを回してその有用性を議論することができます。
効果測定の本質は、「態度変容」を確認すること
しかし「サイトトラフィック」は、サイトの集客規模という、ある一部の価値しか語っていません。そもそもコンテンツマーケティングは、短期的に売上をアップさせるセールスプロモーションや、認知拡大を目指す広告コミュニケーション等と併用して、中長期的な目線でファンを拡大させていくもの。いくら集客したところで、コンテンツの魅力が意図するものでなければブランドのファン化につながらないことも大いに考えられますし、そもそも広告などを併用している場合は特に、サイトの集客力がコンテンツの魅力に寄るものなのかを判断できません。
では、それ以外で何を指標にすればいいかと言われれば、コンテンツの「質」に直結する定性的な「態度変容」をとるべきです。
サイトのPVやUUよりも、コンテンツのシェア数、CVR、ページごとの滞在時間、ユーザーのコメント投稿やアンケートなどを注意深く観察して、ユーザーがどのようにコンテンツを受け入れているかという点で効果測定します。そこで「コンテンツが効いている」ことをダイレクトに確認したところで、広告やPRなどでコンテンツへの入口を広げていけば効率が良いです。
扱いやすい「サイトトラフィック」の数字は、ひとつの目安。本当に大切なことは、中長期的なユーザーの「態度変容」。コンテンツマーケティングは、定量・定性の両面から、成果について議論することが重要なのです。