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Twitter成長の鍵を握るアジア・日本との関係

米eマーケターの調査によると、今年の利用者数は2億2750万人ととなり、前年比24.4%の上昇が見込まれています。
利用者は増えているものの、その増加率は年々減少傾向にあり、2012年には前年比49.9%増で増えていたものの、翌2013年には30.4%増、2018年の予測では10.7%増にまで落ち込むのではないかという見通しがあります。

このような状況下において、今後Twitterがユーザー数を伸ばすことができるかは、アジア太平洋地域が握っていると言われています。アジア太平洋地域の全世界に占める使用率は32.8%に上り、2番目に多い北米の23.7%を大きく上回っています。アナリストの予測によると今後はインド、インドネシア、そして日本でのシェア拡大が見込まれているそうです。

そんなTwitterにとって痛し痒しなのが中国の微博(ウェイボー)の存在です。中国では規制の影響もあって、海外発のインターネットサービスが進出することは容易ではありません。そのため、海外で流行したサービスは国内版に焼き直しされることが多いのですが、中国版Twitterとも言われる微博は利用者数が5億人を突破しており、もしもTwitter本体が中国市場に進出することが出来ていれば、全世界で7億2千万のユーザーを囲い込めていたわけです。しかしながら、この中国版Twitterが成功を納めているという点を見ても、Twitterはアジア地域に浸透し易いサービスであると言えるでしょう。

さて、よく日本人はTwitterが大好きだと言われます。日本での利用者数は2千万人前後と言われていますから、全世界の利用者数の1割弱を日本が占めていることになります。また、つぶやき数が多いことでも知られており、2010年にはフランスの調査会社から、英語に次いで2番目につぶやかれている言語だと発表がありました。

この要因としてよく言われるのが、Twitterの140文字という文字数と日本語の親和性の高さです。英語に比べて140文字内に内容を盛り込み易いため、表現がし易いのです。また、参加型のコミュニケーションへの参加意欲が高いことも挙げられます。「天空の城ラピュタ」の放映時に、終盤で唱えられる滅びの呪文「バルス」を一斉につぶやくというイベントが、秒間14万ツイートを記録して世界1位となったのは有名な話です。実際、TwitterのCEO、ディック・コストロ氏が来日した際のスピーチでもこの点に触れています。

しかし、一連の現象の根底には「自己を表現することが好き」という欲求が垣間見えます。Twitterが隆盛する以前は、日本はブログ大国と呼ばれており、インターネットサービス会社のサイバーエージェントもブログサービスである「Ameblo」の成功をきっかけに成長しました。2007年には、日本語ブログのエントリ数が世界で1位となっていますので、文章を書いて何かを表現することが好きな傾向があると言えるのかもしれませんね。

このように、アジア地域といっても国によって文化や習慣、傾向などは大きく異なりますので、Twitterがユーザーを拡大できるかどうかはアジア各国でのローカライズが重要になってくると言えるのかもしれません。