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インバウンド

中国人を旅行に駆り立てるソーシャルメディアの影響力

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スマートフォンの普及により、自分で情報収集できる個人旅行の人気が高まる中国

観光は世界経済を牽引するほどの影響を持つようになり、その影響が特に大きいのは中国からの観光客であると言われています。世界観光機関の調査では、世界中の海外旅行で費やされる金額のうち、20%以上を占めるのは中国だったと報じられました。毎年、1000万冊以上の新しいパスポートが発行される中国は、さらなる成長の可能性を持っています。
中国では、スマートフォンの普及によってオンラインで自ら情報収集できるようになったため、団体旅行よりも個人旅行が人気を増してきています。特に、日本・タイ・米国・オーストラリア等へ向かう観光客が増えてきており、このブームの背景にあるのが、視覚的に旅行先の様子が調べられるソーシャルメディアです。South China Morning Postは、中国人旅行者に対するソーシャルメディアの影響について解説しています。

観光業界のデジタル化が進み、観光客の行動がデータ分析可能

中国人旅行者を勧誘するため、インドネシア・タイ・マレーシア等の東南アジア諸国を中心に、ソーシャルメディアでのキャンペーンが展開されてきました。スマートフォン及びビッグデータを使った分析により、観光業界のデジタル化が進んできたのです。
中国のオンライン旅行予約サイト大手Ctripは、中国人旅行者の情報を蓄積してきました。予約や検索状況から、ユーザーの年齢やライフスタイル、居住地や旅行の好みまで、様々なデータが含まれます。Ctripは、航空会社や旅行代理店と連携し、ホテルの空室率や各種チケットの売れ行き、交通量の予測といった分析を行うことが可能になりました。

ソーシャルメディアの動向から、観光客向けキャンペーンが企画されるようになった

スマートフォンとビッグデータの組み合わせにより、ユーザーが自発的に検索しなくても、必要なタイミングで適切な情報が届くようになります。例えば、航空券の遅延が発生したタイミングでユーザーにレストランの割り引きクーポンを送るといった使い方が考えらます。
さらに、ソーシャルメディアで話題になった都市は、需要の高まりが予測できるので、航空券の値段を上げても売れ行きが維持できると考えられます。データ分析から旅行者がどこで何をしたいかを予測できるようになれば、観光業界は受動的なサービスに頼らず、能動的なキャンペーンを積極的に実施できるようになるでしょう。

まとめ

ソーシャルメディアのトレンドは、観光客から人気を集めている旅行先を理解するヒントを与えてくれます。その好機をとらえた観光業界は、積極的なキャンペーンにより、中国人旅行者を誘致するようになりました。中国人旅行者の市場は、今後の拡大が見込まれています。
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参考資料
https://www.scmp.com/news/china/society/article/2132976/how-ai-social-media-fuelling-boom-chinese-tourism
著者:Takayuki Sato