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新型コロナウイルス影響下でSNS担当者に出来ること

新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令されておよそ3週間が過ぎました。ここにきて新規感染者数の指数関数的な増加傾向に鈍化が見られ、外出自粛に一定の効果が現れたように感じられます。とはいうものの、まだまだパンデミックの終息に見通しが立たない状況であることは変わりません。

このような状況の中で、企業のSNS担当として何をどう発信していいのか分からず、途方に暮れている方も少なくないのではないでしょうか。そんな悩める中の人が「今やるべきこと」「やらない方がいいこと」「状況が改善するまでに準備しておいた方がいいこと」についてご紹介させていただきます。

今やるべきこと
いま、皆さんの企業はどのような状況で何をしていますか?
まずはそこから発信していきましょう。

・在宅勤務で誰もいなくなったオフィス。
・オンラインの会議であったクスッと笑えるエピソード。
・在宅勤務ができない職種の悲哀や恨み節。
・物が売れなくて困っています。

などなど、発信できることはたくさんあります。

SNSを広告宣伝のツールとして『利』用することだけを考えていると、業務がほぼ止まってしまっている現在のような状況では何も発信することがなくなります。これに対して、SNSを顧客とのコミュニケーションツール、つまり店頭での接客と似たようなものだと考え『活』用するつもりになれば、上に示したようなことを発信することができるようになります。

まずは自社の現状を知ってもらいましょう。
その次に、外出自粛でレジャーや買い物もままならない顧客に提供できる自社の製品やサービスがないかを考えます。暇つぶしになるようなもの、ちょっとしたライフハック的な製品や「風が吹けば桶屋が儲かる」的な発想で自社の事業を深掘りしてみましょう。自分でも知らなかった意外な一面を発見できるかもしれません。

SNSはコミュニケーションツールです。自社に関することだけに縛られる必要はありません。他社の発言にも注意を向けましょう。無線通話の基本は傍受です。古くからのネットユーザーなら誰でも知っている「半年ROMれ」も同じ理屈です。いま、そのチャンネルで何が話され、どういった雰囲気にあるのか。そこに自分が入っていける状況なのか。そういった場の空気をよく読む必要があります。独りよがりの発言は、場をしらけさせるだけでなく場合によっては炎上を引き起こすリスクもあります。その上で、乗れる発言があれば積極的に絡んでいきましょう。SNSでの小さな会話から誰も想像していなかったようなコラボレーションが生まれてきた歴史があります。

やらない方がいいこと

政治と宗教の話題は御法度。
よくいわれることですが、うっかりすると骨髄反射的に発信してしまうことがあります。
特に、今は誰もが新型コロナウイルスへの恐怖に感情を支配されています。SNS担当者もほんのささいな刺激に過剰な反応を示しがちです。政府や自治体の対応に不満を感じることもあると思います。政治家や著名人の発言に反発を覚えることもあるでしょう。

SNSの公式アカウントとして、これらのことに反応することがすべてNGとなるものではありません。同じことを言うにしても言葉の選び方次第で共感を得られることもあれば、炎上することもあります。直情径行にネガティブな発言をすると反感を買い炎上につながります。

どうしても発言したいときは、まず一旦は元の発言者の意図を肯定的にとらえ、その上で自社のスタンスあるいは自分の考えを述べる「提案型」にしましょう。受け手に与える印象が大きく変わります。この際、特に気をつけるべきことがあります。それは、発言の対象を特定の個人や機関にしてはならないということです。「内容」に対してコメントすることで個人や機関を攻撃しているという印象が緩和されます。

もう一つ注意することは、主語を大きくしないということです。
共感を集めるつもりで「私たち日本人は」とか「国民は」といった包括的な主語を用いがちですが、「勝手に自分を含めるな」という感情が勝ることになり逆効果です。やるべきことでない最後は、新型コロナウイルスをネタにしたジョークです。これは回避しましょう。発言者本人は、うまいことを言ったつもりでも、間違いなく反感を買います。
 
状況が改善されるまでに準備しておいた方がいいこと

・在宅勤務でSNSの発信が思うようにできない。
こんなお悩みをお持ちの方もいらっしゃると思います。

その原因はどこにありますか?
・情報の発信に上長の承認が必要ですか?
・情報を発信できる端末が限定されている?

新型コロナウイルスのパンデミックで企業活動や働き方に大きな変化が起きています。それは世界的なもので、なおかつ不可逆的に人々の生活を変えることとなりました。企業にとっても事業継続という危機管理の重要な要素について抜本的な改革を喉元に突きつけられています。様々なインシデントに際してSNSが効果的な情報発信ツールであることは、これまでの経験で実証済みです。

つまり、SNSはインシデント時の事業継続に欠くことのできないものとなっているのです。それが、在宅勤務を余儀なくされた途端、情報発信能力を削がれてしまうのは企業にとって大きな損失です。これを機会に在宅勤務でもSNS担当者が情報発信を行えるような体制とポリシーの整備を進めてはいかがでしょうか。