東芝が海外でコンテンツマーケティングを開始
東芝は全売上に占めるBtoB事業の割合を現在の80%から90%まで高めることを目標に、2014年12月から本格的にコンテンツマーケティングをスタートさせると発表しました。
マーケティングの効果がBtoC事業ほど直接的な売上に結びつきづらいBtoB事業にとっては、「ブランド認知」を促進させ、ターゲットと長期的なエンゲージが求められるコンテンツマーケティングを実施することは自然な流れと言えます。
昨年コンテンツマーケティング担当者に対して行われた調査でも、コンテンツマーケティングの目的に「ブランド認知」を挙げている人が最も多かったという調査結果は記憶に新しいところです。
しかし日本のBtoBマーケティングではイベントやセミナーなどで「見込み顧客」を獲得することに注力している企業が多いのも事実です。そのため今回のような東芝の取り組みは、旧来のマーケティングから脱却するための足がかりとなるかもしれません。
また今回の取り組みでは、どのようにコンテンツを配信するかという点に注目が集まりそうです。
グローバルにビジネスを展開する上で「国や地域による市場の違い」を意識することはとても重要で、コンテンツマーケティングはコンテンツをただ配信すればいいというわけではなく、「誰に向けて」「何処で」配信するかをまず考える必要があるからです。
今回の東芝のターゲットは、コミュニティ・プランナーやエンジニア、州や地方の行政職員、企業のインフラ計画を管轄する経営層と言われていますが、こうしたターゲットを耳にして的確なメディア提案をするのは容易ではありません。
日本からグローバル展開をする際にまずネックとなるのが、日本の代理店をはじめコンサルティング企業がグローバル視点の提案が弱いという点です。
そのため、日本でも馴染みのあるメディアを中心に戦略を組立てがちですが、今回の東芝の取り組みではFacebook、Twitter、YouTubeの他にもLinkedIn、Google+、SlideShare、Vimeo、Mynewsdeskといったような日本のBtoB企業ではまだ活用事例の少ないプラットフォームを活用していますので、グローバルなマーケティング実績のあるパートナーと提携していることが伺えます。
東芝のコンテンツマーケティングはまだスタートを切ったばかりですが、北米のBtoB企業の93%がなにかしらのコンテンツマーケティングを実施していると言われていますので、東芝のようにグローバルに展開しているBtoB企業が今後、どのような展開を見せるのか注目が集まりそうですね。