気になるアレを大調査ニュースサイト「しらべぇ」の戦略を考察
最近気になる話題のWEBサイトをご紹介。
「しらべぇ」というサイトをご存知でしょうか。
http://sirabee.com/
しらべぇは株式会社NEWSY(ニュージー)という会社が運営しているキュレーションサイトです。
同社は「ニュースをつくるクリエイティブエージェンシー」として活動されており、大手広告代理店である博報堂の社内ベンチャーとして2014年に立ち上がり急速にPV数を伸ばしています。
キュレーションサイトとご紹介しましたが、しらべぇの実態は実は大きく異なります。
本来のキュレーションサイトは、「世の中に展開されている情報・記事を独自の視点でまとめる」というのが主な内容ですが、しらべぇは、「独自の視点でネタを見つけ【調査】をして、その面白さを発掘する」という取り組みに重きを置いています。つまり完全オリジナルコンテンツです。
キュレーション系のメディアは、いかにして面白いネタを展開するか?に全ての勝負がかかっているといっても過言ではありません。なぜなら「面白いこと」「世の中で流行っていること」「衝撃の隠れ事実」は文脈・利害関係なく人をひきつけるためです。
その目線は残した上で、情報のまとめだけではなく、さらにそこに数値の裏づけをかける。
このエッセンスにしらべぇの戦略が集約されています。
このしらべぇ、2016年2月時点にてページビューは月間1200万PV、ユニークユーザーは月間420万UUと、かなりの巨大ニュースメディアになっています。
しらべぇが伸びてきている状況に昨今のコンテンツマーケティングの勢いを感じますが、やはりそれを支えているのは調査の結果の提示に他ならないと思います。
例えば、下記の記事。カテゴリーは「ギリギリ」笑。
「「ひとりH」のお気に入りスポットを調査!女性の告白に驚愕」
http://sirabee.com/2016/02/21/86675/
(しらべぇは、ターゲット需要を最優先しているので、けっこうアダルトなネタも多いです)
こちらは、ただただテキストを並べたコンテンツだと読み物・ライターの妄想に過ぎませんが、なんと1654名を対象に調査をした結果であり、その信憑性・公平性が高い記事となっています。
それだけに情報の拡散力も高いです。
だって「多数が言っている事実」だと数字が言っているのだもの。
この手法は、PRの現場でもよく使われます。それは「調査PR」という手法です。
自社商品の機能をそのままリリース配信するのではなく、調査をかけて市場の実態を掘り下げて、その事実をメディア配信することで自社商品のプレゼンスを高める。というやり方です。
・漢字検定関連の商品(ゲーム)の販売のために行なった調査で「日本人の漢字力が危ない!」という実態が浮き彫りになり、間接的に商品の販売に寄与。
・乳酸菌を含むヨーグルトの販売のために行なった調査で「ピロリ菌は実は日本人の50%が感染!」という実態が浮き彫りになり、それを解決する商品として売上が伸びた。
など、ちょっと古い例ですが、「世の中の人はこうだ!」という事実を提示すると、説得力が格段に上がり人は動きやすいのです。
それを「情報」に置換し、継続しているのがしらべぇです。
まだ発展途上であり、今後の企業連携においてどんな立ち位置になっていくのかはわかりませんが、
自社でのコンテンツマーケティングにおいて、しらべぇのような数字で証明するコンテンツ作りもアリではないでしょうか。