W杯効果?Twitter株の急騰
7月29日、投資家が注目する中でTwitterは第2四半期の決算発表を行いました。
第2四半期のユーザー数は約3割増加し、この影響で同社の株価は35%も跳ね上がっています。
売上高は前年同期比124%増の3億1,200万ドル、損益は前年同期の赤字が4,200万ドルから1億4,500万ドルの純損失に拡大しています。
売上の大半は広告収入で、前年同期比129%増の2億7,700万ドルでした。
Twitterの赤字が続いていることは今までも広く知られているところですが、市場は決算内容よりもTwitterのユーザー数に関心が集まったようです。
(月間アクティブユーザー数は前年同月比で24%増加し、過去最高の2億7100万人を達成)
この好調の原因となったと考えられるのが、先月まで開催されていた「2014 FIFAワールドカップ」です。
開催国のブラジルと優勝したドイツの一戦ではなんと3,560万件もの大量のツイートが配信され、ワールドカップ期間全体では6億7,200万のツイートがあったということで、Twitterの投稿数としては過去最大のイベントになった模様です。
この影響からか、ワールドカップの会期中にスペインや南アフリカなどアメリカ以外の広告主の出稿が増え始め、それらの国に対して広告プラットフォームの提供を開始しています。
このTwitterの決算発表に合わせて、Financial Timesは、
「オンラインサービスの市場の評価ポイントが変化したとする記事を掲載した。もともと、オンラインサービスの立ち上げモデルは、「ユーザーの獲得」 →「ユーザーのエンゲージ」→「マネタイズ」のステップを踏むべきで、特にどうマネタイズするのかが最大の関心事であったが、Facebookは自らの広告活動でユーザー離れが起きないことを証明した。言い換えるとFacebookはマネタイズ問題をクリアし、残すところの問題はユーザー数の規模になると指摘しており、まさにTwitterの問題の本質を指摘している。新規ユーザーが減ったり、ユーザーからそっぽを向かれるようになることは、ネットワークサービス全体の価値を弱まらせて、ネットワークサービス事業として致命的な忌々しい事態になり、Twitterはアクティブユーザー数で言えばFacebookの13億2,000万人の5分の1の規模に過ぎず、先頭集団を走れていない」としています。
今回、株価が高騰したのは、潜在的な成長性の証となる「ユーザー数」が伸長した点が大きな理由と考えられますが、市場が成長への鈍化傾向が是正されたと期待も含めて感じている点に注意しなければならないでしょう。
純損失が拡大していることからも競争優位なポジショニングの確立を急がねばならない状況に変わりはありません。
今回の好調の波を契機にTwitterがどのような成長軌道を描けるのか注目していきたいところです。
参考資料:
http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/column/infostand/20140804_660747.html