コンテンツマーケティング×CRMで何ができるか?
既に利用している企業も多くなってきているCRM(顧客管理システム)とコンテンツマーケティングを上手く組み合わせることで、コンテンツが見込客を惹き付けるだけでなく、営業の手助けをする事も可能になります。
BtoBの企業においては、まずコンテンツマーケティングで見込客を惹き付けて育成した後で、営業活動とCRMによって顧客化していく形で役割が明確に分かれているケースが多いのですが、今回はコンテンツを営業領域に組み込むことでのメリットを紹介していきます。
「営業マンが提案時に提出する資料をコンテンツ化すると営業工数を削減できる」
営業マンが訪問時にしている事を思い出してみて下さい。
初回の訪問では会社概要や製品詳細、同業界の事例などを説明する。
2回目の訪問では企業の抱える課題を解決する提案資料を説明する。
3回目の訪問で見積書と具体的なスケジュールを説明する。
といったような流れで、訪問する度に何かしらの資料(=コンテンツ)を見込客に提示していることが多いはずです。この中で営業マンが時間を割かなくてはいけないのは、提案資料の作成とそのためのヒアリングになります。会社についての説明や見積などについては、見込客があらかじめ把握をしていると工数を削減することができます。
実際にこのような資料をコンテンツ化している企業がありますので、例として見てみましょう。
株式会社Loco Partnersは一流旅館や一流ホテルのみを厳選した会員制の宿泊予約サービスreluxを運営している会社なのですが、会社概要やサービス概要、法人向けプログラムなど多くの資料をSlideshare(パワーポイント形式のスライドを共有するサービス)に公開しています。
・会社概要: http://www.slideshare.net/shinojapan/loco-partners-v10
・サービス概要: http://www.slideshare.net/shinojapan/relux
・媒体: http://www.slideshare.net/LocoPartners/relux-50200095?related=1
重要なのは、上記のように公開した資料の閲覧状況をCRMにインポートする事で、営業マンが訪問時にどこまでの話をすれば良いかという判断ができるようになるという点です。
例えば、会社概要とサービス概要にチェックが入っている見込客に対しては詳細から話を始めたり、サービス概要は見ているけれども会社概要を見ていない見込客に対しては会社の想いから説明する、といったような事ができるようになります。見込客が自社のサービスについて何処までの情報を得ているのかを把握したうえでアプローチできるようになりますので、営業活動の生産性がぐっと高まってきます。
しかし、営業資料をコンテンツとして公開する際には、気をつけなければならないポイントが3つあります。
①コンテンツ閲覧者のメールアドレスや氏名などの情報を取得するようにしておきましょう。
コンテンツを公開すると不特定多数の人が見る可能性が高いので、どのような人が見ているのかを把握するためにも、個人情報を入力するとコンテンツが閲覧できるようにしておく事が重要です。
② 公開する情報と非公開な情報に線引きをしっかりと行いましょう。
例えば、営業で実際に訪問して話をすると競合サービスとの違いなどについて聞かれる事が多いと思いますが、自社と競合の比較情報をあまりにもコンテンツ上でオープンにしてしまうと、競合にとって優位な状況を作ってしまう可能性がありますし、公開した情報が古くなってコンテンツの信用が落ちてしまうこともあります。何をどこまでオープンにすべきか慎重に検討する必要があります。
③ 価格シュミレーターのような計算シートを用意しておく良いでしょう。
おおよその概算金額が分かるようなシートや、費用対効果が分かるシートなどを作成しておくことで、サービス導入の予算感を想定できるようになります。分かりやすい例としてKDDIの料金シュミレーターなどがあります。
以上の事を意識してコンテンツとCRMを組み合わせることで、営業フェーズの手助けをするコンテンツマーケティングが実現できるようになります。