ブランド認知を高め、変えるためのコンテンツ作り
ブランドは企業にとって重要な資産です。好意的に認知された企業は大きく売り上げを伸ばし、逆もまた然りと言えます。オンラインで発表するコンテンツの内容や見え方が、企業のブランドを形作ります。伝統的な大企業は最新の市場環境にも対応できていることを訴え、競争の激しい業界や電力・金融といった規制の厳しい業界では他社との差別化をアピールし、ブランドの形成を図っています。現状を打破しようとするベンチャー企業は、コンテンツによって本来あるべき姿を人々に周知し、共感や理解を得ようとします。オンラインコンテンツがブランド認知を高め、売り上げを向上させた例を見てみましょう。
コカ・コーラとペプシの競争は1970年代から続いています。テレビCMでの味比べが話題を呼んだこともありますが、現在は戦いの場がオンラインに移りました。コカ・コーラは#ShareACoke、ペプシは#PepsiChallengeと題したオンラインキャンペーンを展開し、人々がコーラを楽しむ体験をシェアする企画を行っています。2011年のオーストラリアでは#ShareACokeのキャンペーンにより若年層における売り上げが7%も向上したという結果を得ました。コーラを買ってほしいと訴えるテレビ広告から、コーラと共にあるライフスタイルをソーシャルメディアで共有・拡散するという施策へ変化した点が、ブランドの在り方を変え、結果として売り上げの向上に繋がったという興味深い例です。
高級車ブランドであるロールスロイス社も、オンラインコンテンツによりブランド認知の向上に取り組む企業です。同社CEOは会社の位置づけについて以下のように語っています。「誰もロールスロイスなんて必要としておらず、結局、ぜいたく品の一つでしかない。時計や宝石、別荘のように、人生で何かを成し遂げたときに、自分へのご褒美としてロールスロイスを買うものだ。」ロールスロイスは憧れの存在でありながらも、手が届く存在であると認識されるためにオンラインコンテンツが利用されます。美術展覧会と協賛したり、成功者の写真をシェアしたりする施策により、ロールスロイスの“内部”に触れられる機会を提供しています。
投資家のウォーレン・バフェットは「評判を高めるのには20年かかるが、5分で台無しにもなる」と語っています。オンラインコンテンツは個別の記事として捉えるのではなく、会社がどのようなブランドを築きたいかという全体像として考える必要があるのです。
参考資料
https://searchenginewatch.com/sew/opinion/2441543/why-companies-create-content-part-one-to-create-and-change-perception著者:Takayuki Sato