Facebookで子供服のEコマースが急成長した理由とは?
米国に子供服を販売している「Lolly Wolly Doodle」というサイトがあります。
小さい女の子用のドレスや親子でおそろいの服、子供の名前などが入った服などを購入できるサイトです。
一見すると何の変哲のないよくあるようなネットショップのサイトに見えます。
http://www.lollywollydoodle.com/
しかし2009年に立ち上げたこの事業は毎年売上を2倍以上に伸ばしていて、2013年には1,100万ドル(約11億)を売上げ、Facebook上でのファンは90万人を超え、これまでに2,300万ドル(約23億円)の投資を集めているスタートアップなのです。
このサイトはなぜ多くの人に利用され、多額の出資をして貰えたのでしょうか?
シリコンバレーによくある優秀な少数のエンジニアによって・・というような背景とは少し異なります。
このサイトの足跡を大まかにまとめると以下のようなものです。
・創業者は専業主婦で4人の子供たちのために服を作っていた
・余った生地で作った服をeBayで受注生産して売り始めた
・安く仕入れた低品質の服をFacebookページで格安販売したところ大反響
・家庭の事情でサイトの売却を検討していたが投資家に促され逆に事業を拡大した
・受注生産で売れた商品を大量生産する仕組みを整えさらに売上を伸ばしている
この事業が伸びていった要因としては、サイトをタイミングや仕入先の選定、
裁縫工場の立地などさまざまな要素が影響しているものと思われますが、
特にWEBマーケティングにおける成功要因を挙げてみます。
■購入プロセスの簡略化
このサイトの初期はeBayで服を販売していましたが、途中からFacebookページに切り替えます。そしてFacebookで取り入れた仕組みが「コメント欄にアドレスを記入して、Paypalからの請求メールで決済してもらう」というものです。
FacebookとPaypalのアカウントさえ持っていれば数クリックで購入できてしまう手軽さが、購入の敷居をさげることに一役買ったことは言うまでもありません。
そしてFacebookでは、コメントを入力するとそのアクションが友達のフィードに通知されますので、コメントする(=商品の購入予約)だけでどんどん情報が拡散されていったのです。
これにより商品を宣伝するコストを抑えつつ認知度をアップさせることができ、売上の増加に大きく貢献しました。
日本人の感覚としてはFacebookのコメント欄にメールアドレスを記入するのは抵抗がある気もしますが、米国の方はタイムラインの公開レベルを適切にコントロールしていたのか、はたまたそんなことは気にしないのか。
いずれにせよ、このサイトではマーケティングや宣伝の費用を一切かけずに知名度を上げ、売上を伸ばしていったようです。
■FacebookとPaypalの普及率
アメリカでは人口の約57%がFacebookのアカウントを開設しており、消費者の約76%の人がPayPalアカウントを所有していると言われています。
このFacebookとPaypalの普及率の高さがあったからこそ、前述した購入の仕組みを多くの人が利用できたのでしょう。おそらく同じ仕組みで日本でやっていたとしても、ここまでの事業拡大は見込めなかったと考えられます。
日本ではまだアメリカほどFacebookが普及していませんし、大きく普及しているLineも企業利用に関しては制限がありますので、ソーシャルメディアから対象範囲を広げてみると、自社の参考になる要素を見つけられるかも知れませんね。
参考サイト:http://blogos.com/article/88915/