政府も人工知能社会へと推進姿勢。知識労働はどうかわるのか。
■『雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか』。衝撃論文が発表されてから早3年。
2014年に、英オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授が発表した『雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか』の中にあった、702の職種が今後どれだけコンピューター技術によって自動化されるかを分析した結果、今後10~20年程で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高い。という衝撃論文が発表されてから早3年が経ちました。
■ネット配信サービスからはじまった?
アメリカでは、衝撃的論文発表前の2010年に、ビデオレンタル大手Blockbuster(ブロックバスター)が、Netflix(ネットフリックス)やhulu(フールー)といった、動画ネット配信サービスの台頭により顧客を奪われたことによる、経営破綻が衝撃的なニュースとして伝えられました。
しかし、現在はこれらネット配信サービスの選択肢は主流であり、音楽でもSpotify(スポティファイ)、Music(アワミュージック)、Google Play Music(グーグルプレイミュージック)にはじまり、Amazon Music(アマゾンミュージック)やLINE MUSIC(ラインミュージック)などの台頭。さらにはオフラインでも再生可能なサービスなど、数え切れないほど選択肢は増えています。音楽のネット配信サービスは、レンタル業のみならず、CDショップの業績不振やそれらにまつわるカルチャーの衰退にもつながっていると考えられています。
■現在、AI(人工知能)が活用・推進されている職種や活用例。
人事分野で活躍、推進が進む人工知能の書類選考は、2015年にはNECが「人材マッチング」に活用するソフトウェアを発売し、「業務の効率化」、「選考漏れ防止」。そして、「客観的な判断」といった効果を期待されています。昨年は、インターネット人材サービスを手掛けるビズリーチから、戦略人事クラウド『HRMOS』がリリースされ、ネットを中心に大きな話題となりました。『HRMOS』は立て続けに、採用管理、勤怠管理、評価管理といったサービスをリリースし、採用管理のみならず、面接官のこれまでの評価傾向を分析、評価も行っています。 これまで、そして現在進行形での採用活動の効果分析をすることによって、どのような人事が効果的かをAIが判断することで、コストや生産性の改善に役立っているようです。
人材分野では、過去のデータ蓄積により、人工知能が成長を遂げることで、近い将来にはAIにより左遷を告げられる日が訪れるかもしれません。