B2B企業におけるソーシャルメディア戦略
ソーシャルメディア戦略がB2B企業に有効であることに議論の余地はありません。ビジネス向けSNSのLinkedInが行った調査によると、77%のB2B購買担当者は、製品の評価を行う際に、ソーシャルメディアを閲覧するという傾向が明らかになりました。一方で、B2BとB2Cではソーシャルメディア戦略が異なる点に注意が必要です。一般にB2B企業は信頼性を重視し、購買意志決定に多くの関係者が携わり、また、購買プロセスが長く複雑になる特徴があります。このような特徴を考慮したソーシャルメディア戦略が求められているのです。
B2B企業では顧客と深い関係を築く必要があります。企業間取り引きは、規模とリスクが大きいため、担当者間の感情的・個人的な結びつきが重視されるからです。関係性を深めるには、顧客企業が使用しているプラットフォームを特定し、そこで顧客が抱える問題を解決するようなコンテンツを配信するソーシャルメディア戦略が有効です。ブログや動画によって、ハウツー記事などを提供すると顧客との関係構築に役立ちます。
B2Bマーケティングを拡大していく際には、「顧客企業の顧客」である最終消費者への訴求が有効です。最終消費者が自社ブランドに愛着を持てば、顧客企業も、当然、高い評価を与えます。マーケティングの専門家ジェイ・ベイアーは「最終消費者を味方につける取り組みは、3ドルのプリングルス(ポテトチップス)を売れたときではなく、1万ドルの製造機械が売れたときに成果が上がったと言える」と述べています。最終消費者への訴求では、コンバージョンではなく、 “バズる” 動画や画像の作成が目標となるでしょう。
ソーシャルメディア戦略で避けるべきは、過度な売り込みです。ソーシャルメディアは双方向性に利点があるため、一方的な商品の押しつけは嫌われてしまいます。商品について語っても構いませんが、それがユーザーにとって役立つ情報でなければいけません。企業を相手に商売していたとしても、最終的には感情を持った人間を相手にしているものです。顧客を助け、役立つ情報を提供する会社は、高い評価を得て、最終的に、売り上げを向上させる成果に辿り着けるでしょう。
参考資料(https://www.searchenginejournal.com/effective-b2b-strategies-social-media-managers/171334/)著者:Takayuki Sato