Facebookで共感されやすい動画とは?
このところ好決算が続いているFacebookですが、動画共有サービスの領域でも成長を続けているようです。全世界で13億人のユーザーを持つFacebookでは6月以降、1日平均して10億回の動画が再生されており、
1ヶ月の間にアップロードされる新しい動画の数は約1億にものぼります。この数字は、YouTubeと比べてしまうとまだまだ小さな数値なのですが、それでも数ヶ月前と比べて大幅に上昇しています。
Facebookにおける動画共有はYouTubeほど歴史が長くはなく、まだユーザーに満足のいく映像体験を与える方法に取り組み始めたところですが、動画の制作者達はどのようなタイプの映像がFacebookに適しているか模索しています。
例えば、ユーザーが絶えず最新情報を探しているTwitterではニュース速報のような動画が最適ではないかと言われていますので、Facebookではあまり時間に敏感でないタイプの動画が合うのかもしれません。
最近Facebookでヒットしているのは、電車の間に挟まれた人を乗客が助けるシーンなど、個人が撮影した動画が多いようですが、何より注目したいのは、この夏の一大現象となったアイスバケツ・チャレンジ(筋萎縮性側索硬化症の研究資金集め)です。
このムーブメントでは、一般人から有名人まで何百万もの人が自らバケツの氷水をあびるところを撮影して投稿してきました。6月1日からの3ヶ月間にこのチャレンジに関連する1,700万もの動画がFacebookで共有され、440万人以上のユーザーによって、10億回以上視聴され、寄付金は1億ドルを超えました。この現象についてFacebookのコックス氏は「人々にどのように動画を投稿するかを教える機会になった」と語っています。
こうした背景もあってか、つい先日、Facebookのニュースフィードにはスクロールして動画が表示されると自動的に動画が再生される仕組みが実装されました。これにより動画を見てもらえる機会が従来より増えるであろうことは言うまでもありません。
また、Facebookの姉妹サービスであるInstagramも先月、「Hyperlapse」というアプリをリリースしました。これは簡単に言うと「早送り動画」を撮影できるアプリなのですが、YouTubeやFacebookでは作れなかった動画の形態です。このような新しい機能も取り込みつつ、アイスバケツ・チャレンジのような共感を生みやすい話題を自社で発信できないか考えてみるのも面白いかもしれません。
参考資料:http://www.nytimes.com/2014/09/08/technology/facebooks-feeds-give-videos-a-boost.html