Facebookで若者離れが起こっている本当の理由とは?
10代の利用率は減少傾向に
2016年4月に、ジャストシステムが15歳〜69歳の男女1100名を対象に行った「モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査」では、Facebookの10代の利用率が2015年時点で45.0%であったのが、27.0%と18%も低下しています。
また、毎年株式会社マクロミルが新成人の男女250人対象に行っている「新成人に関する調査」の「あなたが現在利用しているSNSをおしえてください」では、Facebookの利用率は軒並み右肩下がりであり、2014年時点で半数以下に落ちこみ、2016年には40%を下回っています。
確かに、統計データ上では、Facebook若年層ユーザーは減少しています。このFacebookの若者離れの原因を「インスタグラムやSnapchat等の新しいSNSへの移行」として結論づけているメディアを多く見かけました。確かに、インスタグラムのアプリ利用者数は2016年4月の時点で1000万人に到達しており、要因の一つとして考えられるでしょう。
暇な時間にスマホでゲームをプレイする人が増えている?
これを良く示しているのが、2015年12月にMMD研究所が20~69歳以上の男女562名を対象に行なった「2015年スマートフォンアプリコンテンツに関する定点調査」で、2013年が20%以上であったのに対して2014年に16.3%、2015年には13%となっています。
反対に、「ゲーム」と「動画」は上昇傾向にあります。
ここで、ひとついえることがFacebookの「プラットフォーム化」です。Facebookの2016年時点での利用者数は、2800万人(全人口の約18%)です。10~20代における割合は更に多いはずです。全体を見ても国民の4人に1人は登録をしているという状況です。つまり、「浸透しきった」ということは言えるのではないでしょうか。
特に若者にとっては、電気や水道、ガスのように、「日常の当たり前」の光景になってしまい、なんら真新しいことには映らなくなったのです。これを決定づけるのが、今話題沸騰中のAR技術を駆使したポケモンGOです。この例を見ても分かるように、アプリゲームは今、躍進的な進歩を遂げつつあります。今後、VRやAIといった技術が消費者に普及していく中で、さらにこの傾向は加速していくことでしょう。
まとめ
Facebookは中高年のユーザーも増加しつつあり、一般化が進んでいます。Facebookの若者離れが進むのは、決してマイナスなことではなく、プラットフォーム化といった公共的なものに変容を遂げていく過程では至極当たり前のことなのではないかと筆者は思います。