嫌われ者のオンライン広告に未来はあるか?
オンライン広告はインターネットの普及と共に広がりWebサイト運営者の収益源となる一方で、眩しいバナー広告や突如として現れるポップアップ広告など様々な表現手段が登場し、ユーザーからは決して好意的に受け入れられるものではありませんでした。
現在は広告の表示方法や、広告に関連するユーザー体験により、オンライン広告で成功する企業とそうでない企業の明暗が分かれています。Googleの検索連動型広告やFacebookのソーシャルターゲティング広告は好調を維持する一方で、Twitterは広告ビジネスを確立できていません。
加えて、今月リリースされたiOSの新バージョンではSafariブラウザで広告をブロックできる機能が搭載されました。このような業界の流れを踏まえて、オンライン広告の未来については、悲観的な意見と楽観的な意見の双方が噴出しています。
アメリカのマーケティング会社TechnologyAdviceの調査では、たくさんの悲観的なデータが見つかりました。
38%のユーザーがオンライン広告には注意を払っておらず、また、
79%のユーザーはオンライン広告をほとんどクリックしないと回答しています。
また、ユーザーの過去のクリック履歴が広告に反映される
「行動ターゲティング広告」は71%のユーザーから不愉快なものとして捉えられています。そして、実に
90%ものユーザーは広告をクリックした後に、購入を決定したことはないとの驚きの結果が公開されました。
一方で、オンライン広告に関する楽観的な視点としては
「オンライン広告が不要になったわけではなく、改善の余地があるだけだ」
とする見方もあります。まず、広告のメッセージをより細かくカスタマイズし、適切なユーザーに適切な情報が届くようにする必要があるでしょう。本当に興味のある内容に関する広告であれば、ユーザーが不愉快に感じる可能性も低くなります。
また、双方向性のメディアを活用し、ユーザーと信頼関係を築ければ、広告に頼らなくともブランド認知を維持・向上することができます。そして、適切なコンテンツを掲載し、最適化されたランディングページを用意しておけば、オンライン広告の効果にはこれからも期待できるでしょう。
著者:Takayuki Sato