アナリティクスで個人単位の計測が実現
先月、Googleアナリティクスのユニバーサルアナリティクスが、ベータ版の期間を終了して正式にリリースされました。ベータ版は2012年にリリースされたので、正式版に移行するまでずいぶん長い時間をかけて準備を進めていたようです。
<正式版の特徴>
・リマーケティングなどすべての機能・レポートに対応
・User ID 機能によるクロスデバイスレポートが利用可能に
・Googleアナリティクスプレミアムのサービスレベル契約で保証対象に
・データ処理の時差解消によりデータ集計がよりタイムリーに
・Measurement Protocolのアップデート
さて、この正式版のユニバーサルアナリティクスで注目なのは何と言っても「User ID機能」でしょう。
User ID機能とは「ブラウザ単位」ではなく1人の「個人単位」でユーザーの行動を計測する機能です。
以前はWEBサイトを見るデバイスと言えば主にパソコンで、インターネット利用者層へのパソコン普及率も高いものがありました。
ですので、ブラウザ単位でユーザーを定義して計測することは、概ねユーザーの行動実態を表していたと言えます。
しかし今では1人で複数のデバイスを当たり前のように持っていて、好きな時に好きな場所でインターネットを利用する環境が整っていますので、
ブラウザ単位でユーザーを定義していては個人の行動を読み誤ってしまいます。
そこで「ブラウザ単位」ではなく「個人単位」に近い精度で計測ができるようにしよう、ということでGoogleが開発を進めていました。
例えば1個人が「パソコン」→「スマートフォン」→「タブレット」を交互に使ってサイトを閲覧した場合、
従来はデバイスごとに異なるユーザーとして計測されていたものが、User ID機能では1人のユーザーとして計測されるため、
より現実に近いユーザーの行動を把握できるようになります。
■仕組み
サイトのログインIDを軸にして、訪問ユーザーのブラウザーCookie IDを1つにまとめることで個人単位の計測を実現しています。
従って、ECサイトなどユーザーに対して固有のIDを発行している会員制のようなサイトでしかUser ID機能を利用することはできません。
また、会員サイトであってもログインしていないユーザーに関しては従来の方法でしか計測できませんので注意が必要です。
■機能
複数のデバイスを経由して発生したコンバージョンを計測できるようになったり、異なるデバイスで重複している行動の割合などを確認できる「クロスデバイスレポート」が利用できるようになります。
今回ご紹介した「User ID機能」はすでに一部のユーザーに公開されていて、今後段階的に全てのユーザーにも公開されていくようです。ログイン機能を持ったサイトを運営されている方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。