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分析関連

Googleが提供するカスタマージャーニー分析ツールの使い方

顧客が商品やブランドを認知してから購入に至るまでにどのような行動をとっているか、その行動プロセスを旅行になぞらえて「カスタマージャーニー」と呼ばれたりします。マーケティングを改善するために有効な考え方として知られています。

ウェブマーケティングにおいては、eコマースの「カスタマージャーニー」を視覚化するツールをGoogleが提供しており、業界や国などによってチャネル(集客手段)がそれぞれどのような役割を果たしているのか、その傾向を知ることができます。
The Customer Journey to Online Purchase

このツールは、Googleアナリティクスの中でeコマーストラッキングを行っているプロパティ約42,000件から収集したデータを元に構築されています。eコマースのトランザクション(購入)を自社サイト以外の対象と比較する手段はあまりないのではないかと思いますので、今回はこのツールの使い方をご紹介したいと思います。

■チャネルのポジショニングを知る
ユーザーに認知されてから購入に至るまでの間、各チャネルがどの段階でユーザーと接点を持ちやすいのか、そのポジショニングを把握することができます。

使い方は簡単で「事業規模」「業種」「国」を選択すると、その下にあるアイコンの並びが更新されます。
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左端が認知段階、右端が購入段階を表していて、その過程で「チャネルがどの段階で接点を持つことが多いのか?」を表しています。

上記の「中規模、B2B、日本」を選択した例では、はじめはソーシャルメディアで認知を得て、リスティング広告(ブランドキーワード以外)や参照サイトでユーザーとの接触を重ねていき、最終的にはEメールやダイレクトによる流入で購入に至る傾向が高い、という事を示しています。

事業規模に関しては、ランダムに取得した45日間のeコマースのトランザクション数が、1万件以上の場合はLarge businesses、500〜1万件の場合はMedium、500件未満の場合はSmallという定義になっていますので、自社のトランザクション数がどれに近いかで選択すると良いでしょう。

チャネル名の中には少し分かりづらいものもありますが、「Branded Paid Search」が自社名や自社サービス名などのブランドキーワードによるリスティング広告、「Generic Paid Search」がそれ以外のキーワードによるリスティング広告、「Display Click」はディスプレイ広告のことです。

■チャネルの役割を知る
次に特定のチャネルがコンバージョンに至るプロセスの初期、中期、最終、どの段階で接点を持ちやすいのか?その割合を把握することができます。

業種(INDUSTRY)、事業規模(BUSINESS SIZE)、国(COUNTRY)、チャネル(CHANNEL)を選択すると下の円グラフが更新されます。
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上の例では、購入に至るまでのプロセスにおいて、初期段階(Beginning)でソーシャルメディアに接触しているのは42%、中期段階(Middle)が38%、最終段階(End)が21%ということになります。購入に至るパスの最初の25%をBeginning、次の50%をMiddle、最後の25%がEndと定義されています。

ソーシャルメディアによる接触は初期と中期に最も多く見られますが、購入前の最終段階でも21%ありますので、購入の後押しに少なからず貢献している可能性があることを示唆しています。

今回ご紹介したツールは、マーケティングチャネルが購入の意思決定にどのような影響を与えるのか?それぞれのチャネルがどのような役割を果たすのか?といった傾向を知るには有用ではないかと思います。特に業種や国によって大きな偏りがあることが分かりますので、多国間でビジネスを展開している企業の方はそれぞれの特徴を抑えておいた方が良いでしょう。

また、同規模や同業種のeコマースで行われている施策が自社では行われていなかったり、チャネルと接触するタイミングが自社で想定していたものと大きく異なっている場合などは、一度施策を見直してみると良いかもしれません。


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