米金融業界に見るコンテンツマーケティングの動向
コンテンツマーケティングの最先端をいく米国ですが、その中でも際立って成果が上がっていると言われているのが金融業界です。
金融サービス企業は、「どうやってお金を増やすか」という多くの人が関心を持つテーマを扱っており、業界のプロフェッショナルはそうした情報に精通しているだけでなくそれを顧客に伝えることも仕事にしている訳ですから、読者に役立つコンテンツを提供する下地が整っていると言えるでしょう。
この数年間、裕福な消費者層をターゲットにして成長してきた米国の金融業界は今、消費者を教育するコンテツを必要とする傾向にあります。消費者に自分のお金を自身で管理できることを教え、彼らのお金を節約することに貢献できれば、消費者からロイヤリティを得ることは想像に難くありません。
そのために金融サービス企業は、さまざまな手法や嗜好を凝らして教育的なコンテンツを提供しています。
例えばニューヨークタイムズやウォールストリート・ジャーナルなど大手の出版業界と手を組んで、クリエイティブなコンテンツのキャンペーンを実施したり、プリンシパル・ファイナンシャルグループがニューヨーカーへ向けて、無料の金融アドバイスビデオをタクシーの中で上映したりしてるのは、その一例です。
また、英国の資産管理会社ナツメグの出版物では、家族・資産・遊び・仕事の4つに焦点を絞ったコンテンツが集められ、図表などにはインフォグラフィックスを多く使うなど、難解なイメージのある金融を分かりやすく伝えようとしていることが伺えます。コンテンツのテーマには読者の年齢に沿った毎月の投資戦略アップデートを取り上げたりするなど、コンテンツをパーソナライズ化する傾向があるのも特徴的です。
こうした小さな努力によって積み重ねた教育的なコンテンツが米国の金融業を成功に導いているケースが多いのです。
今後は、複雑なブログの記事を簡素化してデジタルビデオで見られるようにする、短期金融資産投資信託を銀行のアプリで見られるようにする、週ごとの投資アップデート映像の上映などが、来年には実現するだろうと見込まれていますので、米国金融業界のコンテンツマーケティングの展開に引き続き注目していきたいですね。