人工知能技術から企業における具体的な活動へとつなげるには
人工知能を使ったツールが増えている一方、行動へつなげる点が課題に
人工知能技術が多くの分野で活用されるようになってきています。バラバラに動いていたシステムから、分析に使えるような形式でデータを収集するのが可能になり、人工知能の実装が進んできました。しかし、多くの企業では人工知能が得た知見を行動につなげる所に課題があるのも事実です。顧客分析プラットフォームActionIQのCEOであるTasso Argyrosが、人工知能技術を具体的な活動へつなげる方法について解説しています。
数百万人の顧客と、数十億件の取り引き実績のある企業であれば、人工知能による分析を始めるには十分です。各顧客の予測分析を行う等、マーケティング担当者がキャンペーンを実施するのに役立つ知見を見出します。しかし、行動につながらなければ、理論的な分析に過ぎず、大きな価値を生み出すことはできません。
人工知能が予測分析スコアを算出し、行動を起こすべき対象を抽出する
人工知能を使った顧客データプラットフォームを構築する例を考えてみましょう。このプラットフォームは全ての顧客情報や取り引き履歴を取り込み、マーケティング担当者がセグメント情報やチャネル別の分析を自分自身で行えるようにするものです。
Eメールや住所、性別、購入履歴、店舗の訪問履歴、Webサイトの閲覧履歴等から人工知能は、離反率や予測分析スコアを返します。IT技術者の力を借りずに、マーケティング担当者が顧客の行動を理解できる点が重要です。
人工知能が最適なチャネルを分析し、可能であれば実行まで担当する
顧客の予測スコアを分析した後は、実施するべきキャンペーンを人工知能によって作成するのが次のステップです。離反しそうな顧客、上位20%を抽出してセグメントを作成するといったアルゴリズムが考えられます。さらに、APIによって各チャネルと接続すれば、抽出されたセグメントに対して、キャンペーンが自動的に実行できます。顧客の過去の行動に合わせて、最適なチャネルを自動的に選択し、人工知能がキャンペーンを主導していけます。
まとめ
人工知能による顧客分析プラットフォームを例に、人工知能から得られた知見をキャンペーンの実行へつなげる方法について検討しました。マーケティング担当者の手間を減らしながら、最も効果の高い顧客を特定し、効果の高いキャンペーンを実施できることが期待できます。
参考資料
https://martechtoday.com/from-artificial-intelligence-to-tangible-action-executing-on-ai-insights-at-scale-223952