ニッチな市場こそ コンテンツマーケティングの効果は絶大
マス広告主体であった従来のマーケティングは、世の中に対して絶大な影響力を発揮するメディアを見つけて認知を拡大することが主目的となっており、逆にニッチな市場ごとに商品・サービスに関するメッセージを「送り分ける」ことが最も苦手であったため、特にBtoCのニッチ市場を攻略するのは困難でした。
しかし、コンテンツマーケティングのように「ユーザーのニーズから逆算する」ようなアプローチの場合、むしろニッチな市場のほうが攻めやすく、マスで狙おうとしていたメインターゲットを掴みやすいことが分かっています。
「ニッチ」な市場を起点に「大きい」市場を動かす
商品・サービスを普及させるときに、アーリーアダプター・インフルエンサーといったファーストコンタクトが可能な顧客と、世の中に広めるときに獲得が必須なアーリーマジョリティ・レイトマジョリティといったボリュームゾーンの間にある、大きな溝というか壁というか、2つのターゲット攻略における「違い」のことを「キャズム」とも呼びますが、これを超えるときのヒントが、コンテンツマーケティングの構造に隠されています。
キャズムを超えるためには、あるニッチ市場に的を絞り、すべての資本やリソースを総動員してその市場を支配するのが先決。その後に別の関連市場を攻めていけば、まるでオセロの石を次々とひっくり返すように拡大することができる、というのがキャズムの理論を説くジェフリー・ムーア氏の意見ですが、まさにこの「ニッチ市場に絞ったアプローチ」こそ、コンテンツマーケティングそのものではないでしょうか。
「ユーザー発想」のコンテンツマーケティングがニッチ市場に効く
コンテンツマーケティングの構造は、ユーザーの興味関心事や商品・サービスの購入プロセスを把握し、まず彼らにとって魅力的な情報から順番にアプローチをしていくものです。逆に、商品・サービスから発想してアプローチを考えていくと、どうしても企業目線で「広く・あまねく」という最大公約数的なプランになりやすいのですが、ユーザーのニーズから発想するコンテンツマーケティングであれば、ある特定のニッチ市場を攻略するためのアプローチに辿り着きます。
一見矛盾しているようですが、ボリュームゾーンこそ細かなニーズの把握が必要。商品やサービスを購入してもらうため、アーリーアダプター・インフルエンサーには、他社ブランドとの強い差別化要素を創り出すことが有効なのかもしれませんが、アーリーマジョリティに対しては、ターゲットの興味に合うようなコンテンツを、いかに細かく場合分けして彼らのニーズ別に用意できるかどうか、という部分が重要なのです。