2014
07.03
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生姜を追求する永谷園のコンテンツマーケティング


永谷園の「冷え知らず」さんの生姜シリーズと言えば、お昼ご飯と一緒に買われる女性の方も多いのではないでしょうか。

2007年の登場以降、その製品ラインナップはカップスープに留まらず、生姜チャイや生姜のど飴、さらにはサントリーやエースコック等ともコラボしてリキュールやカップうどんといった多種多様な生姜製品を送り出しています。

さて、今でこそ認知度も高まり、コラボ商品までが続々と登場することになった「冷え知らず」さんの生姜シリーズですが、販売開始前はなかなか売れ行きが予測しづらい商品であったと言います。コンテンツマーケティングのお手本とも言えるこの商品は、いかにしてヒットに至ったのでしょうか?

女性にとって冷えというのは健康や美容の大敵であり切実な課題であることから、この商品のコンセプトは冷えに悩む女性の悩みをサポートするというものでした。そうした顧客が持っている切実な課題を取り上げるということが、すなわち顧客の共感を得られるということに繋がり、後のコンテンツマーケティングによる拡大に繋がっていくと考えたのです。

販売を開始したのは7月、一見冷えと関係なさそうな季節ですが、オフィスで働く女性にとっては、職場の冷房が最強になる時期で、常にストール等の羽織ものが手放せなくなる季節なのです。カップスープと即席味噌汁4品を投入し、コンビニでの限定販売だったにも関わらず大ヒットとなり、同年の11月には全国展開を行なった結果、初年度の売上げが4億円となったのです。

さて、商品そのものが顧客の切実な課題をとらえていたことがヒットの要でしたが、その後季節商品の拡充を図るとともに、永谷園は「生姜部」というオウンドメディアを立ち上げます。実際にこのサイトを見れば分かるのですが、商品のPRというよりは生姜の認知促進をさせるような構成となっており、以下のサイト説明文にそれが現れています。

“たとえ企業といえども、売上や利益に結びつける事ばかりを考えていては、新しい芽は育ちません。生姜という素材を究めるために、社内の部門や職位を超えて多種多様の人材が集まりました。これが『生姜部』です。”
引用元:http://www.shouga-bu.com/about/

サイト上には永谷園社長、永谷泰次郎氏の「株式会社永谷園代表取締役社長」という肩書きとともに「兼 生姜部顧問」という肩書きも添えられており、直筆のサインと判子まで掲載されております。これだけでも永谷園の生姜に対する本気度が伝わってきますが、そのすぐ下には「しょうが♫ しょうが♩ しょうが♫ しょうが♩」と、「生姜部の歌」も掲載されており、この脱力系を感じさせるさじ加減が、共感を得られるオウンドメディアの真骨頂と言えるでしょう。

実際のコンテンツも専門家による生姜の効用の解説や、150を超える生姜を使ったレシピ、日本各地で食べられる生姜を使ったフードメニューがあるお店の紹介、さらには専用農場を借りて生姜の研究も行っているそうで、生姜の素晴らしさをとことんアピールするコンテンツとなっています。フードメニューがあるお店の紹介も、生姜部のメンバーが一軒一軒訪問して写真を撮影しているような様が見受けられて、等身大のメディア作りに非常に好感が持てますね。

今ではなんと生姜部が設立されてから7年が経過しており、商品のブランド価値を高め、顧客との信頼関係の構築に大きな役割を果たしているものと考えられます。このようにオウンドメディアが7年もの間、顧客とのコミュニケーションの場に成り得た原因は、キーテーマである生姜にスポットを当てて、ユーザーが楽しめるコンテンツを提供し続けた結果と言えるでしょう。
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