コンテンツマーケティングはCRMなのか?
コンテンツマーケティングが企業の営利活動の中で特殊だと言われる(売上に直結しにくいマーケティング活動と言われる)背景は、その”視点”にあります。ターゲットにとって有益で説得力のある情報を提供し、自社のビジネスにつながる行動を起こしてもらうことが狙いです。そのため、中長期的には自社利益を念頭に置くものの、短期サイクルにおいては、いかに興味を持ってもらうか?を意識した戦術進行となります。一見、CRM(Customer Relationship Management)と近く感じますが、上記の通りCRMとは明らかに”視点”と”対象”が異なります。
CRM:顧客関係管理。顧客との関係を構築・管理するマネジメント手法
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自社の顧客(主に会員組織)に対して、自社商品に関する有益な情報を提供し顧客の購買行動を促進する活動。いわゆる顧客の囲い込みとして行われ、往々にして各企業の「宣伝部」が担うことが多い。
CRMとコンテンツマーケティングにおいて、「囲い込む」という手法は同じです。
●視点
CRM:短期メリットの提示による再顧客化
コンテンツマーケティング:有益情報の提示によるゆる~いファン化
●対象
CRM:既顧客
コンテンツマーケティング:まだ見ぬいつかの顧客
つまりCRMは目先からずっと先まで、自社顧客の回転を向上させるためのマーケティングなのです。一方、コンテンツマーケティングは、ある意味中長期先の顧客創出を行っていることになります。そしてファンとして熟成された顧客になるので、敏感に反応してもらえる可能性が高いです。
すなわち、コンテンツマーケティングは新規顧客の獲得につながり、CRMはその顧客の回転率を上げ、自社とのリレーションショップを作るのです。CRMはガッチガチに自社情報しか流しません。そのため、インセンティブ付きの広告や気軽な気持ちで入ってきたターゲットは、権利を有しているだけで本当の意味でCRMの対象とは言えません。