コンテンツマーケティング・ブームの裏側で、何が起こっているのか?
近年の「コンテンツマーケティング・ブーム」はとどまるところを知りません。
アメリカの企業では、もはや9割がコンテンツマーケティングを実施していると言われ、日本の企業でも同じ現象が起きています。
では、なぜここまで流行っているのか?という疑問が湧いてくるのですが、そこには、3つの要因となる時代背景があります。
1、ユーザーによる「広告の取捨選択」
テレビの録画視聴化が進み、インターネットの動画広告もクリックで飛ばし、気になるバナー広告はクリックして内容を見る・・・といった具合に、ユーザーが「広告を取捨選択できる」メディアが増えています。まるで、グリーンピースが嫌いな人が、チャーハンのグリーンピースを器用に取り除くように、ユーザーは不要な広告をうまく避けて過ごしています。
逆に、そんなユーザーに対して無理矢理「広告を押し付ける」行為は、企業や商品のブランドが嫌われる原因になります。その最たる例が「ステマ」です。好きな芸能人がブログでオススメしていた商品が実は広告だった・・・と気づいたとき、人の心には「騙された!」という憎悪が生まれます。しかもそれが実際にはその芸能人が使っていない等という事実が明るみに出ようものなら、商品も芸能人もまとめてネット上で袋叩きにあいます。
つまり、これまでよりもずっと「広告の入口」に細心の注意を払わなければならない時代になったのです。そうなってくると、ユーザーの興味関心のある話題がキッカケになって伝えたい情報へユーザー自らが足を運ぶ、コンテンツマーケティングやネイティブ広告は、とても相性がいいということになります。
2、「SNS」の普及が進んだこと
ひと時代前の、ブログによる「日記ブーム」の次は、生活の中で起こったことや気になることを撮影・引用し、記事化して発信する「1億総記者化」ともいうべき「SNSブーム」の時代が到来しました。若者もオジサンもFacebookやTwitterを使いこなし、誰もが簡単に情報を発信できる世の中。
そうなると、これまでのような「一般的な広告」、TVCMや屋外広告のようにマスメディアを購入して、伝えたいメッセージを効率良く伝える・・・とった方法ではなく、SNSなどを通じてユーザーの生活に入り込み、ユーザー自ら「面白い」「役に立つ」と思って動いてもらえるほうが、ユーザーとのコミュニケーションが生まれやすくなります。良質なコンテンツを入口にすることができれば、広告は「ユーザーによって拡散」までされるようになったのです。
3、「共通言語化」されたこと
以前、本サイトで「ミシュランガイド」の事例を紹介したこともありましたが、コンテンツマーケティングの考え方自体は古くから存在しており、その起源は1800年代(日本では明治時代)とも言われています。にも関わらず、それが「有効なマーケティング手法」として認識されていなかった理由は、単純にそれを表す言葉がなかったのです。マーケッターによってコンテンツマーケティングという「言語」が与えられたことによって、この手法が一気に定着しました。