LINEの挑戦!AI技術を組み込んだ五感認識プラットフォーム
2017年3月、スペインのバルセロナにて開催されている世界最大のモバイルカンファレンス「Mobile World Congress 2017」にて、LINEの新たな戦略クラウドAIプラットフォーム「Clova(クローバ)」が発表されました。
「Clova」のサービス内容はAI技術を組み込んだ五感認識によるIoTプラットフォーム。AIを組み入れ、音声以外の人間の五感を感知コントロールすることで、生活の中のあるあらゆるIoT機器につなげていくというコンセプトを持つサービスです。
「Clova」を搭載した製品として、アプリ「Clova App」、および、スマートスピーカー「WAVE(ウェーブ)」の発売を初夏に予定。話かけると音声で会話をしたり、ニュース、天気・占い情報、コマース、カレンダー、翻訳などのコンテンツ・サービスや、音声で家の電気のオンオフなどを行うホームコントール、音声専用コンテンツとして読み聞かせなどができるオーディオブックなどが利用できるようになります。
なぜ日本国内でこれだけのシェアを誇り、存在価値を高めているLINEが、IoTのサービス、しかもAIという未知の領域に参入するのか?
それはひとえに、「プラットフォームの範囲の拡大」を狙っていると考えられます。
LINEは”コミュニケーションのプラットフォーム”としては日本国内No.1と言っても過言ではありません。実際、いまやキャリアメールの利用率を超えているLINEは、スマホデバイスのプリインストールサービスに勝っているという快挙を成し遂げています。
しかしながら、LINEが稼動できているのは「スマホ」の「アプリ内」にとどまっており、そこ以上の拡張性がありません。これが、同じITサービス運用の中でのGoogleやAmazonとの違いです。
つまりLINEは、コミュニケーションツールとしての優位性を誇りながらも、ユーザーにとっての課題解決の幅が狭いのです。平たく言えば、現行スマートフォン市場がなくなると、共倒れをしてしまいます。
それを解消し、個人・ファミリー・移動・在宅、様々なシーンに紐づいたプラットフォーム化。これがLINEの狙いであり、目指している姿なのではないでしょうか。
その第一歩になるか、Clovaに今後も注目です。