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ソーシャルメディア

あなたの記事がシェアされても、必ずしも読まれているわけではない

コロンビア大学が行ったソーシャルメディアの調査は、がっかりさせる結果でありながら、納得もできる内容でした。ソーシャルメディアでシェアされたリンクのうち、59%は一度もクリックされていないというものです。さらに、ワシントンポストは、6割のユーザーが内容を読まずに、リンクをシェアしているという研究を発表し、これまでで最も衝撃的な見出しと評価されました。

フランスのソーシャルメディア研究者アーノルド・レガウトは以下のように語ります。「これは典型的な現代の情報を消費する態度と言えます。人々は、深く考えず、要約や“要約の要約”に基づいて世論を形成していくのです。」

内容を読まずにリツイートする人々は、既に“バズっている”リンクをシェアするだけで、世論を形成していきます。ソーシャルメディアでは盛り上がりを見せるトレンドを検知する仕組みがありますが、トレンドを形成しているのは、その中身を知らない人々なのです。

ソーシャルメディア関連のブログを運営するSearch Engine Watchは、ある日、ブログ記事へのリンクを貼るのを忘れ、Twitterに画像と見出しだけを投稿してしまいました。しかし、結果は意外なほどに好評でした。25回のリツイートと、28回の「いいね!」を記録したのです。リンクが含まれず、内容が確認できない投稿が、最も人気を集めたツイートの一つになってしまうのは皮肉なものです。

同社の投稿がTwitterでクリックされた割合(CTR)は、わずか0.2%でした。これは業界平均として考えられている1.64%を下回る結果です。しかし、TwitterのCTRが低いからといって、そこでのマーケティング活動を止められないのも現実と言えるでしょう。Twitter上でのマーケティング戦略を再考する必要があるのです。

つまり、ソーシャルメディア・マーケティングを行う上で、ユーザーの関与度を推定する指標として「リツイートされた数」だけでは不十分と言えます。内容を読まずにリツイートしてしまうユーザーの存在を考慮し、正しくユーザーの行動を把握する必要があります。

参考資料(https://searchenginewatch.com/2016/06/20/just-because-theyre-sharing-it-doesnt-mean-theyre-reading/)