SNSにはびこる「タイムライン疲れ」とストーリー基点のインスタコミュニケーション
■「インスタ映え」に疲れた若者たち
今年も流行語大賞の時期となりましたが、2017年の流行語大賞は「インスタ映え」でした。
しかし、すでに「インスタ映え」に若者たちは疲れつつあります。流行語の影響か否か、Instagramに投稿する写真は「映えるものでなくてはいけない」という強迫観念があります。わざわざオシャレな場所へ行き、「映え」る食べ物や場所を探し、フィルターなどを駆使した写真を投稿することへの「疲れ」が流行を経て出てきているタイミングなのです。そして、そんなにまでして投稿したものへの「いいね」や「コメント」数が少ないと、それはそれで凹むといったこともあります。
そんな中、登場したのが「ストーリーズ」。24時間で消える、ということとコメントもいいねもないということが、インスタ映えに疲れた若者たちが気軽に投稿できる場となりました。
■疲れたからと言って投稿したくないわけではない
インスタ映えに疲れたからといって、SNSへの投稿をしないわけではありません。買ったもの、行くった場所を「共有」することはすでに彼らにとっては日常となっています。そんな「完成度の高い写真は疲れた」ときに気軽にちょっとした投稿ができるストーリーズは若者のニーズにハマったのです。
■連絡手段の変化にも
さらに、「タイムラインをスクロールしていくのが面倒」「見たらいいねしなくてはいけないのが面倒」という声もあります。投稿する側だけでなく、投稿を見る側にも「疲れ」が発生しているのだと言います。ストーリーズはタップしていけばどんどんタイムライン(のようなもの)が次に送られていきます。
興味がない内容であればスワイプすることで一瞬で飛ばすことも可能です。
そして、ストーリーズにはコメント欄がありませんが、コメントを書きこむことは可能です。書きこんだコメントは直接投稿者へのダイレクトメッセージとなり、1対1の会話につながっていきます。そこから会話が広がり、雑談や「明日ご飯行こう!」といった流れを生み出す、「連絡手段」へとなりつつあります。最近ではLINEすらほとんど使わずに、主にInstagramのDMで連絡を取り合うことが多いという若者も。
このように、ストーリーズは「タイムライン疲れ」を上手に昇華し、さらにはコミュニケーション手段につなげることで、見事にユーザーの離脱を防ぐことができました。