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子どもの将来なりたい職業、ユーチューバーがピンチ!

ここ数年、頻繁に見かける、子どもの将来なりたい夢『ユーチューバー』は、小学生の夢だけではありません。ソニー生命保険が今年の4月25日に発表した「中高生が思い描く将来についての意識調査2017」内の、将来なりたい職業の調査結果では、ユーチューバーが、中学男子・女子共にランキンング・ベスト10にランクインしました。

国内一有名なHIKAKIN氏の動画は、公開数日で1万再生を超え、総アクセス数は57億回以上、年収は1億を超えるといわれていますが、面白おかしく彼の動画を拝聴している子供からみれば、動画配信だけで億単位の収入が得られるように見え、憧れるのも無理はないかもしれません。また、大人もバイト感覚の動画配信で、お小遣い稼ぎをしたくなる人も少なくないはずです。

しかし、現実はそんなに甘くはないでしょう。毎日動画配信するために、あきられない徹底したキャラクター作りに、商品リサーチ。演出や構成…おそらく勤務時間という概念はないはずです。顔や個人情報をさらすリスクも計り知れないものでしょう。

そんなユーチューバーの収入源は広告の収益ですが、これまでのユーチューバーは、クリエイターが動画を収益化し、表示される広告や YouTube Red 利用者による視聴から収益を受け取ることができるようにするプログラム、YouTube パートナー プログラム(YPP)に同意し、アドセンスを取得すれば、誰でもすぐに収益を得る権利がありました。

しかし、YPPが4月に改訂され、配信者のチャンネルで公開している動画の合計視聴回数が 1万未満だと、YPPに参加できないことになりました。これまでは視聴回数が1万未満のチャンネルの多くに、広告収入を目的としてクリエイターの著作権を侵害する動画が存在していたので、YPPはクリエイターの収入を守るため、不当な動画による利益を防止するために改定のはこびとなったようです。

不当な動画とは、ニュース文章をコピーし、アーティストの曲をつけて、ムービーメーカーで編集して流すだけの動画の著作権侵害。さらには、再生数を上げようと犯罪行為のギリギリ動画配信がされるなど、悪質な動画が大量に出回っていました。そして、このような動画にも収益が入っていたのです。

YPP改定後は、

・チャンネルを開設する
・動画をアップロードする
・チャンネルの合計視聴回数が1万回になった時点で審査
・審査通過時点で収益化のスタート

と、ステップを踏むことで、収益を得られることになりました。

今後、子どもの夢に変化があるかはわかりませんが、YPP改定で、ユーチューバーになることは容易ではなくなりました。しかし、子どもが悪質な動画を目にする機会が減り、見るに堪えない動画が減り、質の高い動画が増えることは、良いことでしょう。