制作者が楽しんでいないコンテンツは面白くない
コンテンツの企画や制作をする時、どんな目線でつくっていますか?
「こんな内容で作ったらみんな楽しいのではないか?」「読者の中の誰かしらは楽しんでくれるだろう」と他人事のように思って作るコンテンツは、表層的に仕上がってしまいますし、そうやってつくられたコンテンツは誰の心にも響かず素通りされてしまいがちです。
大切なのは「自分が楽しくないと、みんなも楽しくない。」ということ。
楽しくてついついシェアしたくなったりするコンテンツは、 制作者が楽しみながらつくっていることが多いものです。
そこで今回は、制作者が楽しんで作っているのが伝わってくる「遊び」が素敵なコンテンツを紹介してみたいと思います。
・マッサージ師に胴上げされたら気持ちいいのか(サントリー)
http://www.suntory.co.jp/beer/kinmugikohaku/kutsurogizoku/article/arufa.html
まず企画がおもしろいということは言うまでもないのですが、この「遊び」ポイントは記事真ん中ほどに出てくる「オリジナルストラップ」。
文脈に全く関係がなく、作る必要は全くないものですが、この遊びによって一笑いが起こります。
・IKEA BEDS Extended(イケア)
コンテンツというよりは長尺のCMですが、こちらも制作者の遊びがうまく効いています。
ポイントは40秒目あたりの「ロケット」。全体のストーリーには大きな影響を与えないのですが、ロケットが出てくることによってリアリティがぐっと増して描かれるのと、1:30のコンテンツながら飽きを感じさせない作りになっています。
こうした遊びはさまざまなヒットコンテンツで見られます。例えば名作と言われるゲームソフトにも必ずといっていいほど制作者の「遊び」が含まれています。それはエンドロールであったり、裏コンテンツであったりと形体は様々ですが、それがあるからこそそのネタが語り継がれたり、ファンが増える要因になっていたりします。
目的に向かってコンテンツを制作していくことはとても重要なことですが、作りこみの段階に入ったところで、その中にうまく「遊び」の要素を組み込んでいくと、コンテンツがとてものびのびとしたものになります。ユーザーと制作者の関係性をつくるきっかけは、そういった小さなところで感じられる要素だったりするのです。
まず最初にコンテンツを真面目にきっちり考えた後に、全部忘れてもういちど振り返ってみて、「自分が楽しい」と思えるひらめきを、コンテンツの中に入れ込んでみてください。