コンテンツ・レコメンデーションに意味はあるか
オンラインニュースを読んでいると、関連コンテンツの推薦を必ず目にします。しかし、多くの場合、質の低いサイトへ読者を誘導するためのリンクに過ぎず、役に立たないコンテンツにがっかりする場合が多いのではないでしょうか。この状況は悪化の一途を辿っているという説があります。
米国ではコンテンツマーケティングに関連する2社の提携が発表されました。Webサイトにコメント機能を提供するDisqusは全世界190か国に350万人のユーザーを抱えています。そして、関連コンテンツ推薦エンジンを開発するTaboolaが、Disqusへ「レコメンデーション機能」を提供するようになります。要するに、より多くのサイトがコンテンツ・レコメンデーションを導入するのです。オプトアウト方式を採用しているため、サイト運営者がレコメンデーション機能を止めない限り、関連コンテンツが表示されてしまいます。読者が好むかどうかに関わらず、コンテンツ・レコメンデーションは増加傾向にあるのです。
コンテンツ・レコメンデーション自体が悪いわけではありません。画面下部に関連コンテンツが表示されていれば、多くの訪問者はそのリンクをクリックし、より長い時間をサイトに滞在するようになります。しかし、Taboolaのような推薦エンジンは、人気のコンテンツばかりを配信するため、ページの内容とはかけ離れた情報を配信しているのが現実です。推薦されるコンテンツはページの内容に関連していなければなりません。結果として、単にリンクをクリックしないばかりではなく、サイトを訪問するを止めてしまう読者も存在するからです。
どんなに優れたコンテンツでもページの9割が広告で埋められていては、読めたものではありません。低俗なポップアップ、自動再生広告で埋められたページはインターネットの暗部とさえいえます。New York TimesやBloombergといった権威あるメディアでさえ関連性の低い広告を表示し、評価を貶めています。
多くのコンテンツ・レコメンデーション機能は、クリックされやすいリンクに特化しているため、有名人の低俗なゴシップ記事や派手な売り文句ばかりが増えてしまいます。推薦エンジンやサイト運営者にとっては売り上げにつながるため、魅力的に見えてしまいますが、結局はユーザーは広告ブロッカーを導入し、誰も見なくなるでしょう。長期的な戦略では、質の低い広告や怪しげなリンクを表示するサイトに未来はありません。