Twitterハッシュタグがスパム化してきている
Twitterハッシュタグは、企業やイベント、特有のテーマを宣伝するために効果的な手法です。しかし、便利であるが故に問題を引き起こしてしまう可能性もあります。ハッシュタグを積極的に使用し、ユーザーとの関係強化を図っている企業が、自動応答するボットやスパム業者に悪用されてしまう事例が報告されてきました。
データの可視化を手掛けるVenngage社はTwitterハッシュタグ利用の実状についてインフォグラフィックを作成しました。同社は、ある一週間において、ハッシュタグが使用された13万以上のツイートを解析し、その傾向を抽出しています。
調査対象の7.6%に当たるアカウントはスパム用アカウントの疑いが強いものでした。これらのアカウントは、誰もフォローせず、フォロワーも10人以下でありながら、5000回以上のツイートや「いいね!」を半年以内に行っていたのです。全体で合計すると1900万以上の不正な「いいね!」と4800万以上の不正なシェアが行われた計算になります。さらに、フォローした人数の割合やリツイートの傾向が疑わしいアカウントは全体の56.9%を超えました。
特筆すべき傾向は、ビジネスに関係するハッシュタグがスパム用アカウントに狙われている点です。「#Advertising(広告)」「#Marketing(マーケティング)」「#Sales(営業)」「#SEO」といったキーワードは不正なアカウントによる利用が多く、関連するキーワードも疑わしいアカウントによって使われています。
スパム用アカウントのハッシュタグ利用によって、企業は信頼性のないデータを使わざるを得ない状況になってしまいました。月間3億人以上のユーザーのうち、5%がスパムだとすると、1500万以上のツイートが、本当の消費者によらないものであることを意味します。実に、合計で150億回近い通知がスパム用アカウントから送られてきているのです。
企業がスパム用アカウントに対抗するには、ハッシュタグの使用をやめるか、Twitterを通知の手段として使うのではなく、見込み顧客と会話のやり取りをするためのプラットフォームとして利用する方法が推奨されます。